JAPAN NetMarket

「サンシモデル」を万代流に磨く。収益性の高い宅配モデルを共創

企業名
株式会社万代
ご対応者
執行役員 御堂 宏司様(店舗運営・ネット宅配・営業企画担当)ネット宅配事業部 部長 桝田 保様
店舗数
63店舗(2026年7月時点)
本社所在地
大阪府東大阪市
株式会社万代

参入2年で黒字化、月商は約5倍へと急成長。関西の有力チェーン・万代が JAPAN NetMarket でネット宅配に参入し、サンシモデルを自社の商圏に合わせて作り込んだ過程を、御堂様・桝田様に伺いました。

なぜ、ネット宅配に参入したのか

――そもそも、なぜネットスーパーに参入しようと考えたのですか?

御堂様:関西は首都圏ほどネットスーパーが浸透しておらず、裏を返せば手つかずの市場が広がっていました。実店舗同士の消耗戦を続けるより、誰よりも早くネット宅配の柱を立てておきたかった。後から振り返れば、この「先に動いた」判断が一番効いたと思います。

――その中で、サンシのネットスーパーに関心を持ったのはなぜですか?

御堂様:サンシさんが“システム屋”ではなく、自分たちでスーパーを営み、ネットスーパーを黒字で回している当事者だったからです。理屈ではなく現に成功している運営なら、私たちの商圏でも再現できるはずだと考えました。

――参入にあたって不安だった点はありますか?

桝田様:「本当に利益が残るのか」という点は、正直に申し上げると不安でした。ネット宅配は華やかに見えても、出荷拠点の設備投資や、ピッキング・配送に相応の人手がかかる事業です。売上を伸ばすだけなら難しくない。問題は、そのコストを抑えながら利益率をどこまで引き上げられるか。そこを慎重に見極めたいと思っていました。

導入の決め手は「既に実証された成功モデル」

――最終的にサンシモデル(JAPAN NetMarket)を選ばれた決め手は何でしたか?

御堂様:一番の決め手は、サンシさんのモデルが“机上の理論”ではなく、自らスーパーを営んでネットスーパーを黒字化させている、既に実証済みの成功モデルだったことです。基幹店を見学させてもらうと、会員の集め方から、注文を受けてからのピッキング・配送まで、現場の動きが手に取るように分かる。“現に成功している運営”がそこにあるなら、私たちの商圏でも再現できるはずだと確信できました。しかもその仕組みは、最初から“利益の残る形”で組まれている。売上を積むだけの設計とは違い、コスト構造まで含めて黒字に着地するようにできていました。加えて、万代の品揃えや売場での提案をそのままオンラインに移せる画面設計も揃っている。ただ良さそうというだけでなく、“既に答えが出ているモデル”を選べたことが何より大きかったと思います。

導入後の成果① 2年で黒字化、店舗月商4,000万円を超える店舗も出現

――導入は、どのように進められたのですか?

桝田様:約2年間の準備期間を経て、2022年に万代南津の辺店(大阪府大東市)で店舗出荷型ネットスーパーを開始しました。そこを皮切りに、大阪・兵庫・京都・奈良・和歌山・三重の店舗へと出荷拠点を広げています。サンシモデルをベースに、私たちの商圏に合わせて事業構造を作り込んでいきました。

――導入後、特に効果が大きかったのはどんな点でしたか?

御堂様:何よりも大きいのは、参入からわずか2年で黒字化を達成できたことです。その後、月商も大きく伸び、2023年から2026年にかけて約5倍に成長、店舗月商が4,000万円を超える店舗も現れました。個人会員も着実に増え、平均利用は週2回と高頻度で、1回あたりの購入点数は実店舗比で約2割高い。加盟企業の中でトップの月商を誇る繁盛店も生まれています。

――個人のお客様以外の動きはいかがですか。

桝田様:法人会員の開拓にも力を入れています。保育施設を中心に、介護施設、その他企業の福利厚生といった事業所に商品を一括納品し、従業員の方が仕事帰りにそのまま持ち帰れる仕組みです。複数人分の注文がまとまるので、安定した受注を効率よく確保できる。既に100事業所を超える契約をいただき、利用も好調です。特に保育施設は全体の約半数を占めています。ご導入いただいた事業所にお勤めのお客様からは「仕事が終わってから買い物に行く時間が、本当に苦痛だった」という声をよくいただきます。職場で受け取ってそのまま持ち帰れることが、働く方の負担軽減につながる。保育・介護の現場では人材の採用や定着が大きな課題ですから、福利厚生として、また採用対策としてもご評価いただいています。

導入後の成果② お客様の利便性が向上

――実際に、お客様からはどんな声が届いていますか?

御堂様:数字以上に手応えを感じているのは、お客様の暮らしそのものが変わったという実感です。店舗だけでは提供できなかった体験を届けられるようになり、顧客満足度そのものが店舗とネットの掛け算で高まっていると感じています。

仕事が終わってから買い物に行く、あの時間がなくなる

御堂様:共働きのご家庭からの支持が高いと感じています。夕方に仕事を終えて、それから店舗へ向かう。ちょうど混み合う時間帯ですし、お目当ての商品が売り切れていることもある。かといって昼休みに買いに行けば、食事の時間まで削ることになります。買い物というのは、どんなに少なく見積もっても、行って帰ってくるだけで1時間はかかります。ネット宅配なら、帰宅したときにはもう届いている。その1時間がまるごとお客様の手元に戻る。子育て世帯の方々から支持いただいているのは、この点が大きいと思います。

持ち帰れないから諦めていたものが、買えるようになる

桝田様:お米や飲料のように重いもの、かさばるものは、自転車や徒歩でのお買い物ではどうしても諦めてしまう。それがネット宅配なら気兼ねなく選んでいただけます。「重いから今のうちに」「どうせ一度に届くから」と、店舗では買いにくかった商品まで手に取っていただけるようになりました。

ネットなら同じものを買ってしまうという体験も減らせる

桝田様:ご自宅で冷蔵庫を見ながら注文できるなどの体験も良いと思っています。「あれはまだ残っていたかな」と迷って二重に買ってしまうことがない。店頭のように、特売につられて予定外のものを入れてしまうこともありません。必要なものを、必要なだけ。それでいて1回あたりの購入点数は実店舗より約2割高い。これはお客様にとって本当に買いやすい形になっているからこその数字だと考えています。ご利用金額も、サービス開始当初と比べて着実に伸びてきました。

雨の日や天候が悪い日ほど、選ばれる

桝田様:雨の日や天候が悪い日は、店舗の落ち込みが一定程度あります。通常なら「今日は家にあるもので済ませよう」となってしまう。けれどネット宅配があれば、そんな日でもいつも通りに買っていただけます。天気が悪い日でも食卓の質を落とさずに済むという体験は、お客様にとって利便性が高いと感じています。

サンシモデルを“万代流”に磨き込む。収益が残る宅配の作り方

――サンシモデルをそのまま導入したのではなく、万代流にアレンジされたと伺いました。具体的には?

桝田様:いくつかあります。まず配送エリアを「店舗から約3km圏内」に絞り、小商圏・高密度で回す設計にしました。エリアを広げすぎないことでトラックの総走行距離を抑え、1台あたりの配送効率を高めています。ピッキングから配送まではすべて自前。店舗規模に応じてトラックを小型店で2台、大型店で平均7〜8台、繁盛店では9台まで配備し、ピッキング専任のパートナー従業員が複数注文の商品をまとめて取り、後から仕分ける「総量ピッキング方式」で作業時間を短縮しています。

――会員の囲い込みで工夫されている点は?

御堂様:鍵付きの宅配ロッカーを会員宅に設置しています。ロッカーがあれば、後から他社のネットスーパーが参入してきても、お客様は自然と万代を選び続けてくださる。ネットスーパーが首都圏ほど浸透していなかった関西では、これが早期の“陣地取り”として効きました。

――立ち上げ当初から計画通りに進んだのですか?

桝田様:いえ、正直に言うと予想外のことも多々起こりました。最初は「買い物が難しくなった高齢のお客様が、店舗のフルラインアップから選んで買える」というコンセプトでした。ところが蓋を開けてみると、主な利用者は30〜40代のデジタルネイティブ世代、特に子育て世帯。買い物に行く時間が取りづらい層のニーズにぴたりとはまったのです。そこからは「目当ての商品が探しにくい」という声を受けて商品構成も見直し、試行錯誤を重ねて、黒字化できる会員数・生産性・配送効率の勘所が見えてきました。現場の社員やパートナー従業員が日々改善提案を出してくれる土壌があったことも大きいです。

――最初に重視されていた「利益が残るか」という点は、どう作り込んだのですか?

御堂様:一般にネットスーパーを黒字化させるためには粗利率の高い生鮮食品をしっかりと売っていくことが不可欠だとされています。一方、万代では日配・加工食品の売上構成比が高い。そういった状況でも、配送費とピッキングコストの低減、購入点数の増加によって収益を確保できるシステムを整えることに成功しました。今後は宅配限定商品や万代オリジナル商品も提案し、更に利益を上積みしていきます。売場づくりも宅配を意識していて、白菜や春菊といった鍋材料を主通路の目立つ場所に手頃な価格で並べ、鍋つゆも近くに集める。「売場を回れば自然とその日の献立が決まる」。この提案力を、アプリ上でも再現していきたいと考えています。

ネット宅配が、店舗を強くする

――ネット宅配を始めたことで、店舗側に変化はありましたか?

桝田様:これは始める前には想像していなかったことですが、ネットに取り組むと店舗が鍛えられます。ネット宅配では、欠品が毎日データとして必ず上がってきます。店頭にいると、棚が空いていても日常の風景として通り過ぎてしまうことがある。それが「実績」として目に見える形で出てくるので、現場が放っておけなくなる。結果として店舗全体の欠品への意識が高まり、リアルの売場そのものが強くなりました。ネット宅配は宅配単体の事業ではなく、本業の店舗運営を磨く仕組みでもあると感じています。

――競合のネットスーパーが出てきた影響はいかがですか。

御堂様:正直なところ、競合が近くに来たからといって売上が落ちた記憶はありません。最初に立ち上げた店舗も、いまなお伸び続けています。お客様を訪問しても、他社の名前が出てくること自体があまりない。むしろネット宅配そのものが、競合対策の有効な一手になっていると考えています。店舗の競争が激しい地域だからこそ、早く手を打っておく意味がありました。

――従業員の方々の反応はいかがでしょうか。

桝田様:店舗スタッフの会員加入率が高いのも特徴です。働いている間は自分の買い物に行けませんから、従業員にとってもメリットしかない。ただ、これは自然にそうなるものではなく、朝礼や部門ミーティングで店長がどう伝えるか次第です。うまく伝えている店舗ほど加入率が高い。自分たちが使ってよさを知っているから、お客様にも自信を持ってお薦めできるのだと思います。

今後のビジョン・展望

――今後の展望を教えてください。

御堂様:「日本一、お客様に愛されるネット宅配」を目指しています。万代は「より豊かに」「より楽しく」「より快適に」という3つを掲げていますが、ネット宅配はまさにこの方針と重なるものです。店舗とネットは別々のものではなく、同じお客様に両方お使いいただいている。雨の日はネットで、時間のある日は店舗で、組み合わせて使っていただくことで、お客様の暮らし全体がより便利になる。店舗と一緒に伸びていく形を描いています。

桝田様:取り組みの柱は「アプリ機能の進化」「会員開発営業の強化」「オペレーションの向上」の3つです。AI検索や生成AIによるレコメンド、店舗開発体制の増強、配車業務を大幅に自動化・短縮するAI配車システムなどを、サンシさんと共同で順次実装していきます。

――そのなかで、特に重視されている点はどこでしょうか。

御堂様:突き詰めれば、配送効率を維持しながら、会員数をいかに増やしていくかに尽きます。店舗と同じで、お客様の数が増えなければ売上は伸びません。ただしエリアを広げれば広げただけ配送効率は落ちてしまう。だからこそ、いまのエリアの中をどれだけ密にしていけるかが勝負です。私たちが取れているのはまだごく一部で、大半のご家庭にはこれから知っていただく段階にあります。店舗と違ってネットには立地の壁がありませんから、伸びしろは十分にあると考えています。

JAPAN NetMarketと取り組む意義

――サンシとの協業で、特に評価されているサポートは何ですか?

桝田様:一番は、“評論家ではなく実践者”による支援だという点です。サンシさん自身がネットスーパーを回しているので、アドバイスが具体的です。システム会社に相談すると、どうしても機能の話に終始してしまいますが、サンシさんは同じ商売をされているので、同じ目線で具体的な改善策を一緒に考えてくださる。会員獲得では実際に私たちの店舗まで足を運んで一緒に売場に立ってくださいますし、オペレーションも「万代の店舗ならこう組むといい」と現場に即して一緒に作り込むことができます。アプリについても、何を実現したいかをお伝えすれば、画面のデザインまで含めて形にしてくださいます。世の中のトレンドを踏まえて使いやすく進化させていける。会員開発・運営・お客様の体験づくりを、運営の当事者同士で磨き込めること。これは他チェーンにはない強みだと感じています。

ネットスーパー導入を検討する企業へのメッセージ

御堂様:振り返ると、私たちが参入2年で黒字化できたのは、サンシさんのモデルを丸ごと真似たからではなく、「自社の商圏に合わせて作り込めた」からだと思います。配送エリアの引き方も、ロッカーの置き方も、品揃えも、私たちの地域に合わせて調整できた。しかも、はじめから利益が残る前提で設計されているので、売上だけが膨らんでコストに押しつぶされるという失敗が起きにくい。ここがネットスーパーを続けられるかどうかの分かれ目だと感じています。関西のようにネットスーパーの普及がこれからの地域では、早く始めた者が“陣地”を取れます。一度ご自宅にロッカーを置かせていただき、使い慣れてくださったお客様は、そう簡単には離れません。私たちのように地域に根ざしたチェーンこそ、店舗という資産を活かせる店舗出荷型と相性が良い。協業を通じて、そう確信しています。ネット宅配を経営の柱に育てたいとお考えなら、まずは一度、サンシさんの現場をご覧になることをお勧めします。

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